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はるかなる天上の世界へ〜夏の実習編〜



夏の暑さも忘れゆく
旅のたもとの菅平


Reported by 610
with so meny insects
from Sugadaira,Nagano,Japan
on 22 - 27,July,2013
お久しぶりです。今年度は多くの新入生に恵まれ、活動も活発に行えそうです。
※新歓関係の活動報告については、後ほど行っていきます。気長にお待ち頂ければ幸いです。

さて今回は夏の菅平で実習を行ってきました。

【1日目】
18切符を使って鈍行列車を乗り継ぎ、上田に到着。ここでNamaさんの同期の方に拾っていただき、昼食後菅平入り。ガイダンスを受けてから、土壌動物を採集するため、土集めに出かける。集めた土はツルグレン装置にかけ、翌日以降中身を観察することに。
夕食後には昆虫全目(32目!)の講義を受ける。翌日以降の採集や観察に対するモチベーションが高まるのであった。

【2日目】
朝食後、須坂市の某渓谷に移動。日中は渓谷に沿った林道を歩きながら昆虫採集を行い、昼食後は川に降りて水生昆虫を探す。

イシノミポイントやガロアムシポイントで成果が出せず、個人的には悔しさの残る前半戦であったが、クスベニカミキリやヒメギス(長翅型)といった昆虫は普段見かけることが無かったため、良い収獲となった。

先頭付近を歩いていたころ、目の前に不意に紐のようなものを認めたが、近寄って確かめてみたらなんとジムグリのロードキル個体であった。幼体から成体に移行する途中なのだろう、赤みが消えておらずなかなかに美しい個体であっただけに、生きてお目にかかることができなくて残念であった。
これ、もしかしたらY先生の車によって轢かれたのかもしれない…

皮を標本にするため、今回の実習の主旨からは離れてしまうのだが採集。


渓流ではグループのメンバーがムカシトンボのヤゴ(写真中央)を見事採集。このほか、カゲロウ、カワゲラ、トビケラといった渓流ではお馴染みの幼虫のほか、アオカナブンやクロサナエの成虫といった陸の昆虫も採集。


菅平に戻ってからは、採集品の整理を始める。標本の作り方に関する説明を受けてから、昆虫の目レベルの同定・展翅展足・ラベル作りを行う。
さてツルグレン装置の様子を見てみると、ご覧のように多種多様なトビムシとか、写真には写っていないがカマアシムシや正体不明の小昆虫、あるいは昆虫ではないクモとかコムカデとか線虫類といった色々な生き物が潜んでいたことが分かった。

ガロアムシに関しては、採集できている人でも幼虫しか採れていなかった模様であった。
ところが、某氏が人脈を駆使して、菅平に常駐する先輩からヒメガロアムシの成虫を入手していた!
この飴色の体色がたまらない。いつか採集したいものだ。
※610はいまだに成虫を採集したことがありません。

【3日目】
この日はバッタの解剖を行うことで、昆虫の形態を理解する実習を行った。

解剖に利用したのは構内にたくさんいるミヤマヒナバッタ。昆虫の系統を理解するうえで重要な形質である、大顎の基部に見られる関節とか、あるいは体制が原始的な故に観察しやすい膜状骨陥入(外骨格である昆虫類でも、外骨格が体内に陥入することで「内骨格」を形成する。膜状骨陥入は無い骨格の一つ)などは、解剖に先立つ講義で説明があったこともあってしっかり観察したかったのだが、観察眼が悪いのか「これだ!」と確証をもって観察することができなかった。

【4日目】
今回の実習の参加者にはチョウ屋が多く、彼らは朝食前の時間帯から網を携えチョウを探している。その体力と意欲に感心しつつ、610も少し散歩をしがてら虫探しを行う。

イナゴのようでいてイナゴっぽくないらしい。その名はイナゴモドキ。

ヒメシジミのメス。標高のある地域にいる昆虫とは基本的に縁がないので、こういう高地性の昆虫に出会えるといい気分になれる。

そして、おそらく生まれて初めてキキョウを見る。なかなかに鮮やかな花である。
鉄道唱歌北陸編第22番の歌詞には、

桔梗かるかや女郎花
秋の旅路はおもしろや

とあるのだが、菅平には早くも秋が近づいているのかもしれない。

さて本日はグループごとにまだ採集していない目を補完するため、構内で昆虫採集を行う。

その前に、ツキヌキソウという珍しい植物を観察。葉と茎の接合部分が、写真のようにくっついている様が、まるで茎が葉を貫くがごとく見えるためにこのような和名が与えられたのだという。日本だとこのあたりにしか見られず、中国とかロシアの沿岸州に似たようなものが分布する貴重な植物とのこと。
さて追加採集で念願のガロアムシの採集に成功。これで何とか菅平からつくばへ帰ることができそうだ。そして採集を終え、今回の実習の課題である昆虫のスケッチに着手する。
5目(亜目)を選んでスケッチを行い、そのうちの1~2目(亜目)は5日目に発表しなければならない。自分がよく知っている目を担当するより、他の人に担当させて質問する側に回った方が建設的であるというY先生の助言と、ここでしか観察できないような珍しい昆虫を観たいという欲求から、610はハジラミ目とカカトアルキ目の担当に就任。

ハジラミは主に鳥類に外部寄生する昆虫で、鳥とか哺乳類の新鮮な死体を見つけないと発見できない。カカトアルキは2002年に登場した新しい目を構成する昆虫で、現生の個体は南アフリカやナミビアと言った地域でしか見つからない妙なものである。いずれにせよ、実物を観察するのは生涯初めての機会であったため、非常にテンションが上がるものであった。
この日はハジラミのスケッチを終えてから就寝。カカトアルキは翌日へ持ち越しとなった。

【5日目】
この日もひたすらスケッチ三昧。天気が良くて構内散歩をしたい衝動に駆られるものの、我慢してガロアムシ・イシノミ・もう一つのハジラミを描く。
夕食後に始まった発表会では流石32目すべてを発表するだけあって、かかる時間も膨大なもの。全てが終わるころにはすっかり日付が回ってしまった。
そして発表会終了後には恒例の反省会が行われる。体力的にきついものを感じた610は飲み物をそこそこ頂いたところで早めに脱退。

【6日目】
奇跡的に6時半ごろに目が覚めたため、最後の朝に構内散策をする余裕が生まれた。

翅にある一対の斑点がおしゃれなカメムシ。和名知らず。

ススキの葉の上についていた水滴を一心不乱に吸い続けるトンボエダシャク。

つくばではすっかり見ごろを終えてしまったネジバナ。

さて朝食後に片づけを行ってから解散。

〜・〜・〜

今回の実習では今までとは異なる新たな昆虫に対するアプローチを獲得することができました。
今までは、未知の昆虫に出会った際、長年の経験で培った「脳内図鑑」を参照することでその虫の正体を突き止めていました。どういうことかというと、大抵の昆虫であれば、目レベル程度の判断は見ただけでできるわけですが、その過程とは自分の脳内図鑑のイラストと絵合わせを行うことだったのでした。
この実習で得られたものは、未知の虫に備え付けられている形態を詳細に検討することで正体を明らかにしていくというアプローチでした。これは、今現在自分が持っている脳内図鑑では(どちらかといえば)ないがしろにされていたもので、私の中では非常に画期的な発見でもありました。
自分の頭の中の記憶に基づいた直感的な分類だけではなく、未知の昆虫の形態に基づいた直観的な分類ができるようになれば、おそらく610の中での昆虫観は今までよりも深いものになっていくことでしょう。これは楽しみなことです。


次に菅平を訪れるとき、それはもしかしたらこの地で研究生活を始めるときかもしれません。
そういうことになったら、ぜひともこのお店でロシア料理を堪能しなければなりませんね(´Д`)

おしまい


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